【俺の屍を越えてゆけ】黄川人語録

最終更新:2018年03月20日 13:47


PS/PS3(ゲームアーカイブス)用ソフト『俺の屍を越えてゆけ(おれのしかばねをこえてゆけ)』、黄川人の台詞集です。

ネタバレとなるためクリア後の閲覧を推奨します。

 

 

台詞一覧

初期

 

こんちわ、

は、じ、め、ま、し、てッと!

ボクの名は“黄川人”

君たち一族を 助けるように

神様から 言われてね

で、ボクは やって来たってわけ

へへ… 早い話がただの

つかいっぱしり! …ってヤツかも?

アハハハ… ひとつよろしく!

まッ、一所懸命、いろんな情報を

集めてきて ちょっとくらいは

役に立つよう 頑張るからサ!

ンじゃ、そういうことで

また近いうち!

 

 

やあ!

今日は黄川人くんの 戦闘初級講座、

「よくわかる戦勝点と奉納点」だ!

鬼を倒すと 戦利品やお金の他に

手に入るのが“戦勝点”、仲間の数で

頭割りして 個人の経験になる

この点数が ある程度貯まると

そいつの戦力は自然と上がってくる

要するに どんなヘボでも

経験を積めば それなりに

格好はついてくる、ってことサ

それとこの戦勝点は 交神の儀で

神に差し出す“奉納点”にも

同じだけ 同時に加えられる

奉納点は、言わば神様の偉さ!

これが大きい神ほど 素質の高い

子供を 授けてくださるって寸法サ

まッ、逆に言えば

タダで協力してくれるほど

あっちの世界も 甘かないわけだね

 

 

やあ! 今月はここの探索かい?

さすが 目の付け所がいいね!

ところで 今日は時間の経過について

軽く説明しておくよ

もう知ってるかもしれないが、

どこへ行っても 何をしても

とにかく ひと月が過ぎる

とくに 注意が必要なのは

冒険の途中で 1ヶ月たったときだ

来月の予定に 交神の儀や

大江山討伐隊の選考会が なかったか、

よーく 思い出してくれッ

それと仲間の健康度にも 気を配れよ、

疲れってヤツは 月が変わると

ドッと 出るもんだからね

アハハハ…

「忘れてました」じゃ、済まないよ

 

 

やあ!

そろそろ 連戦の疲れが

溜まってる頃じゃ ないかな?

…というわけで 今回のお題は

「健康度と 体力の関係について」

冒険に出て洞窟を 歩いたり

敵と戦うたびに 身体は疲労し

少しずつ健康度は 落ちている

若いうちは ちょっと休めば元に戻る、

だけど歳を取るとねェ、若いときの

2倍も3倍も 回復に時間がかかる

疲れを残したまま 体にムチ打って

出陣しても ろくなことはない、

いつもの力が出ないんだナ、これが

“退却”や“休養”も立派な作戦だ!

いやいや全く、お互い歳だけは

取りたくないもんだね…

 

 

やあ!

今日は第2回、

黄川人くんの 戦闘初級講座だ!

戦闘中に やばいと感じたら

君たちは どうしてる?

そんなときは さっさと逃げるのも

いいけど、敵の部隊の親分を

探して 集中攻撃で倒すのも手だよ

とりあえずはそれで こっちの勝ち!

ただし戦勝点は その分下がる

それと一応 クギを刺しておくけど、

こっちも隊長が やられりゃ

他がいくら元気でも 一巻の終わり!

当然 敵もバカじゃないから

いざとなれば それをねらってくる、

十分注意してくれよ

 

 

鬼を倒すと 戦利品や金が

手に入ることは もう知ってるよね?

どんどん ちょうだいしてるかい?

遠慮なんか いらないゼ!

なにせ元はと言やあ、そのお宝は

鬼が人から 奪っていったんだ

さーて、その戦利品の中に

たまに巻物が 混ざってるだろ?

こいつの使い方を 教えよう

…と言っても簡単!

うちへ 持ち帰るだけだもんな、

それに1種類1本あれば 用は足りる

後は何もしなくてもいい、ある程度の

儀力に達した者なら 盗んででも

巻物を読んで 勝手に覚えるものサ

それが己を守る術、

さぼれば 犬死にするだけサ

 

 

やあ! 鬼退治ご苦労さん!

さて、これから言うことは

できれば 忘れないでくれ

ここにもいるけど、洞窟や、迷宮の

深くまで潜れば、

必ず大将の 鬼がいる

ここからが 大事だ!

耳の穴かっぽじって よーく聞きなよ

そいつらは 倒しても倒しても

年明けには復活する、なにせ連中は

この世の者じゃ ないからね

まッ、何度も 戦勝点が稼げるから

こっちが 強くなれば

いいお客さんってわけサ

 

 

よッ、久しぶり!

鬼退治のほうは どう?

まッ、気長にいこうよ!

人生は 長い…

あッ、ごめん

そういうつもりじゃ なかったんだ…

じゃ、またね

 

 

こ、ん、ち、わ!

あのさ…、今さらだけど

ちょっと言い訳しとこうと 思ってサ

つかいっぱしりの ボクなんかに

たぶん ゼンゼン期待してないとは

思うけど… まッ、一応

見てのとおり 今のボクには

実体がないんだよ… だから君たちと

一緒に戦うことが できない…

男のくせに 役立たず野郎で

ホント ごめん!

でもあのさ… いつかきっと…、

いつかきっと 体を取り戻して

君たちと戦える日が 来ると……

来るといいんだけどね…

あ~あ、やっぱ無理かナ…

ンじゃ、また…

 

 

 

 

相翼院

 

やあ!

今日は かわいそうな天女の話を

仕入れてきたけど、聞くかい?

昔… 天女のくせに 地上の男に

恋した女がいたんだ… よせばいいのに

そいつの 子供まで産んだんだ

だけど それがバレちゃって

天界に 戻れなくなったんだとサ…

たかが色恋で一生、棒に振るかねェ

女ってサ…

しょうがないよ…

 

 

そうそう、この前の

天界を追ン出された 天女の話の続き、

コレが聞くも涙、語るも涙の物語!

わが子を 守るために

人間に なぶり殺しに

されちまったらしいんだ…

実はサ、今もその天女の怨念が

この先の お宮のどっかに

封じられてるそうなんだよ…

子供なんて また作りゃあいいのに

イチイチ自分の命と 引き換えて…

みっともないよね、母親ってヤツは!

 

 

朱点童子討伐後

この宮のどこかで 天女に会って

万が一その時 彼女のご機嫌が

いいようなら、こう伝えてくれ

「あんたの子供は 元気だよ、

朱点が そう言ってた」ってね

アハハハハハハ… そうすりゃ、

半狂乱になって 君たちのお相手にも

ずーっと 身が入るはずだ!

 

 

 

九重楼

 

やあ! 今日は人間の発展に

多大な貢献を してくださった

偉大なる 2柱の神を紹介だ!

大昔のことサ、ある雪の日に

ふたりの神が 雲の上から

下の様子を 覗いていた

寒さと飢えで 次々に人が死んでった、

だからふたりの神は 火の作り方と

風の御し方を 人間に教えたんだ…

他の神々には 一切の相談なしで、

そっと内緒でね!

おっと、話が長くなり過ぎた!

じゃ、この親切な神様のたどる

悲劇については また次の機会に!

乞うご期待!

 

 

やあ! 元気だった!?

今日の話は 火と風の使い方を

人間に授けてくれた ありがたーい

ふたりの神の 末路についてだ

火と風の使い方を 勝手な判断で

地上に伝えた罪で ふたりの神は

この九重楼に 閉じ込められた

でも 寒さや飢えに苦しむ声の

替わりに 人の笑い声が

この塔の中にも 聞こえてきたんだ!

だからふたりの神は 自分たちの

したことを 後悔しなかった…

ふッ………

ここまでは 美しい話だろ?

でもね、後悔しなかったのは 火と風を

使って人が殺しあいを 始めるまでの

たったの 1年だけだったのサ

まッ、よくあるオチだよ

 

 

 

鳥居千万宮

 

やあ! 今日は“お稲荷御殿”と

呼ばれている このお山の

古い社にまつわる 話をしよう

今じゃ 見る影もないけど、

かつてここの神社は 民の信望も厚く、

境内は 参拝者であふれていた

そう…

あの忌まわしい事件が

起きるまではね…

子供のできない女房が お稲りさんに

願掛けて、100と1日、

神社の前で 赤ん坊を拾った

それからというもの、女房は

ウソのように つきにつく!

お礼参りで たまたま買った富クジで

1等1000両 当てたのさ!

なんとそれが続くこと、3回!

でもそれが ケチの付き始め、

あとは一気に転がる 地獄坂

…ってことで、

この続きは また今度ね

 

 

お稲荷御殿

さ~てお立ち会い! 今日の話は

ここで不思議な赤子を 拾って

3000両当てた 女房の顛末!

女房ってくらいだから、

もちろん亭主が ひとりいた

こいつが どうしようもない男

借金残して 金だけ持って

若い女とトンズラと

トントン拍子の3拍子!

まッ、世間にゃ5万とある話、

思い余った 女房は…

ほれ、そこの大鳥居…

縄をかけて 首吊ったんだと

それ以来 出るらしいよ、

キツネみたいな 女の鬼がね

で、件の赤ん坊… こっちのほうは

誰に聞いても 行方や知れず…

まッ、これも世間にゃ5万とある話、

信じるも信じぬも あんたの勝手の

コーンコーンチキ …ってわけサ

 

 

朱点童子討伐後

この社のどこかで

大きな雌キツネに 出くわしたら、

こう伝えてくれるかい?

「勝手に死ぬ母親なんか いらない、

あのときの赤ん坊が

そう言ってた」ってね

それだけ聞けば、君たちのことも

涙を流しながら

優しく 抱きしめてくれるはずだ…

ゆりかごを揺らすように 優しく…

そう、たぶん…

母さんが 眠っているボクの…

首を絞めたときより 優しくね

 

 

 

白骨城

 

へぇ~、よくここを見つけたね!

この先にあるのは 夏の間だけ

姿を現す 不思議な城

噂じゃ、大江山に上ったまま

帰ってこない連中の魂が 行き場に

困って さまよってるとか…

しッっかし なんだよねェ

ボクには わからないんだ

つまらない意地や 薄っぺらな

正義のために 平気で捨てられるほど

人の命は 軽いモノなのかねェ

そのへんのお侍じゃ、逆立ちしても

朱点童子に 勝てる道理がない…

それぐらい わかってるだろうにサ

 

 

ここの連中に 比べれば

君たちは 幸せなほうかもね?

ご先祖様が とりあえず朱点童子の

寝所まで たどり着いたおかげで

神のご加護が あったわけなんだろ?

まッ、大江山で毎年何百と

死ぬわけだから、神もいちいち

雑魚には かまってらんないのかな?

聞いたことないけど、もしかして

天国にも 定員があるのかも…

一杯のときは 試験でもするのかな?

おっとと、とっと…!!

こんなコトを ボクが言ってたなんて

後生だから 告げ口しないでくれよ

天国の試験官の心証、悪くして

面接で落とされるのは ご免だからね、

アハハ… 君たちも気をつけなよ

 

 

朱点童子討伐後

どう、この城の鬼たちは?

けっこう“骨”があるだろ?

なにしろ元が ボクを倒しに来て

大江山で果てた ツワモノたちだ

それにしても 神の仕打ちは酷いよ

勇気を振り絞り 平和のために

命を落とした彼らに 天界の門は

今も 閉ざされたままだ

だから ボクが代わりに

安息の場所を 彼らに与えてやった、

それが この城というわけサ

神に見放された者の 気持ちが

誰よりわかるのは ボクだからね

アハハハ… 作るのは簡単だったよ

材料は 彼ら自身の骨だ、

いくらでも ある!

 

 

 

大江山

 

今日はちょいと マジな話なんだ

君たちの重荷になると 思って

今まで 隠してたけど…

ボクも 君たちと同じように

あの鬼の呪いを 受けてるんだ

たぶん…

たぶんだけど! あいつを倒せば

ボクの体が この世に戻る!

そうすれば 君たちと戦え…

あレレレ…!? あの鬼を倒せば

もうこの戦も おしまいだっけ?

う~ん、そりゃ残念

ボク、こう見えて意外と強いんだよ

アハハ… いやホント、

ホントだってば! アハハハハ…

今の君たちなら きっと勝てる!

それだけの苦労を してきたこと、

ボクは知ってる、信じてるからね!

 

 

君たちが あの鬼に

かけられたのは 短命の呪い、

でも暖かい 家族がいる

ボクのほうは この姿のまま

永久に 死ぬこともできず、

ずっと独りぼっち…

不謹慎かも しれないけど、

ときどき 君たちのことが

無性に うらやましくなる…

ボクには 姉さんがいたらしいんだ…

子供のころに 生き別れたから

顔も覚えちゃ いないけどね

もし呪いが解けたら

探してみようと 思うんだ

案外近くに いるかもしれないしね…

 

 

前に会ったときより

君たちは また強くなった、

今度こそ あの鬼を倒せるよ!

その時きっと ボクの呪いも解けて

景色が 透けて見えるような

こんな姿とも やっとおさらば!

あぁ…

風や光が 自分の頬に当たる感じ…

早く思い出したいよ…

 

 

もしも君たちが あの鬼から

ボクの体を 解放してくれたら、

お礼に ステキな所へ招待するよ

小さな山や池があって

散策には ちょうどいい庭なんだ

ボクはその小路を 君たちと歩く…

そう、もちろん…

君たちが 取り戻してくれた

ボク自身の 2本の脚でだよ!

あぁ… 楽しみだな…

じゃ、約束したよ

 

 

あ~~あぁっ、んっっ

ははっ、こんちわ!

やっぱり君たちだったね

こいつの中から

ボクを 助け出してくれたのは

ありがと、やっと会えたね ははっ

ボク? ボクはね、これでも皇子なんだ

昔、ここに小さいけど都があったんだ

ある日、悪い奴らが来て

火を付けて燃えちゃったけどね

みんな 殺されたよ

父さんは、女に化けた奴に

後ろから斬られた

母さんは、自分から

身を差し出したんだ

ボクと姉さんを助けるためにね

奴らは母さんを好きにした後で、

ボクに呪いをかけた

ボクの力を封印するためにね

それでボク、鬼の中に

入ってたってわけサ

ははははははははっ、ひどい話だろ?

だから、同じお返しをしたくらいじゃ

全然足りない!

ボクはあの日 誓ったんだ…

奴らと 奴らの家族子孫まで

一人残らず呪い殺してやる、ってね

ボクは君たちを断じて許さない!

生まれ育った都を焼き払い、

両親を殺した、

あいつらと、京の人間どもをね

はっはっはっはっはっはっはっは…

くっくっくっくっくっくっくっく…

そうそう、君たちには感謝しているよ

あの格好の悪い鬼のまんまじゃ

ボクの力は 半分も

出せなかったんだから…

さあ、復讐の本番はこれからだ ! !

また会おうゼ、兄弟

 

 

 

後半

 

やあ! 今日は君たちを

少し元気づけてやろうと 思ってね、

まかり出でたってわけサ

ボクをあの鬼から 出したこと、

まだ悔やんでるとしたら

そりゃ お門違いだゼ

ボクが あの鬼の中に封じられている

ことくらい 天界の連中は

百も承知だったんだからね

今度の 交神の儀のときにでも

神の面子を よーく見てごらん

見慣れない顔が 増えてるはずだ

ボクが 閉じ込められたときに

道連れにしてやった ヤツらサ

ククク… わかっただろ?

これがあいつらの やり方サ

 

 

やあ、久しぶり!

ところで君たちに

折り入って お願いがある

近いうちに ボクが作った庭を

ぜひ 見に来てもらいたいんだ!

庭へ入るための カギは

ボクの 7本の髪の毛だ

洞窟や迷宮の1番奥に 置いておいた

行けば すぐわかるサ!

じゃ、来園を楽しみにしてるよ

 

 

 

忘我流水道

 

この疎水の奥に 人魚の娘がいるよ

そりゃあもう、この世の者とは

思えないほどの 見目麗しいお姿サ

恥ずかしがり屋で なかなか人前に

出てこないけど 本当は寂しがり屋、

どこにでもいる 普通の女の子サ

だから君たちなら 大丈夫!

イイ友だちになれるよ、きっと

 

 

さる姫様が お歳を召されて

病に伏された折、国中の珍なる薬を

集めるよう お触れが出された

そんな事情を つゆとも知らず、

間の悪い人魚が 敦賀の沖合で

漁師の網に かかっちまったのサ

言い伝えじゃ、人魚の肉は万病に効く、

生きたまんま食せば 不老長寿…

もちろん ただの迷信だけどね

アハハハ… でも とりあえず

試してみるのが 君たち人間の

昔っからの 癖なんだろ?

 

 

 

紅蓮の祠

 

この世を恨んで死ぬから 化け猫に

なるのか、化け猫に生まれたから

この世を 恨むのか…?

答えを知りたきゃ、本人に聞いてごらん

この紅蓮の祠の 総大将は猫女、

あだ名は お夏

かわいいメスの 化け猫で

元を質せば 天界人

ちょっと火遊びが 過ぎてね、

罰として 猫に変えられ

下界に 突き落とされたんだとサ

 

 

赤年の間

たかが火遊びの 罰なのに

よりによって 変えられたのが

猫だもんな、最悪だ

猫には無駄な命が 9つもある

お夏は それを使い切るまで

天界に 帰れないのサ

この世で死ぬのは 怖いし痛い、

それを9度も 繰り返す…

神々って 思いのほか残酷だろ?

退屈を 紛らわすためなら

どんなひどいことも

連中は 平気でするのサ

たとえば 人間と交わるとか、

あげくに自分の子を

見殺しにするとかね…

 

 

 

親王鎮魂墓

 

100年ほど前、当時の帝には

よくできた 弟がいたのサ

弟は 民衆に人気があった…

だから 無実の罪で捕らえられ、

ここに 生き埋めにされたんだ

そりゃもう、物の見事にたたったねェ!

で、大慌てで造ったのが この馬鹿げた

大きさの 墓ってわけサ

アハハハ… もちろん見ての通り

皆目、効果はなかったけどね

 

 

 

7本の髪の毛

 

前から 聞きたかったんだけど、

神々はどんな理由をつけて、君たちに

力を貸すと 言ったのかな?

あいつらのことだ、その類い稀なる

血を絶やすのが 惜しいとでも、

恩着せがましく やったのかい?

そのおかげで どーだ ! ?

君たち一族は 安らかに眠ることも

かなわず、無限に続く悪夢の中を

延々と さまよい続けている

まるで 神々がお作りくださった

人間の歴史…、あるいは

ご本人たちの歴史、そのままにね

 

 

こんな伝説を 聞いたことがあるかい?

ボクたちが生まれる ずっと昔、

地上に最初の人間が 生まれた

彼らは 気の遠くなるような

時間を費やし とうとう

永遠の命を得ることに 成功した

不老不死となった 彼らには

成長も子供も 意味がなくなった…

そしてすべてが 止まったんだ

そう! つまり愚かな彼らは

永遠の命を 得たつもりで

実は永遠の死を 迎えていたのサ

ククク… そいつらに比べれば、

君たちは ずっと幸せだよね?

もっとボクに 感謝してほしいなあ

 

 

いつだったか、永遠の命を得た

浅はかな一族の話を 聞かせたよね

実はアレには 続きがあるんだ

彼らの見込み違いは さらに続いた

肉体は 永遠ではなかったんだ

絶望した彼らは 地上を去った…

ところが彼らは 根っからの大ウツケ!

地上に未練もあったし、自分たちが

偉大だと まーだ信じてたのサ

勝手に地上の人間を 自分たちの

後継者と決めつけて、事あるごとに

いらぬおせっかいを 焼き始めた

で、最後にはそれも 面倒になって

たまたまできた“自分たちの子”を

人間の指導者に 据えることを企てた

まったく 迷惑なこったよなあ…

バカにつける薬なしって やつサ

 

 

「この者たちは 正真正銘の神の遣い、

本日只今から 人間の王様であ~る!

従うように!」

ある日突然出てきた こんなご神託に

本気で従うヤツが いたとしたら

そいつの頭のほうが どうかしてる

まして その王様ってのが

年端もゆかない 女の子と

生まれて間もない 赤ン坊のふたり

だけどね どうかしてるのが

人間ってモンさ、けっこうな人数が

だまされてるとも知らず 集まった

黙ってられないのが ときの帝、

子供相手に送った兵隊、なんと10万!

…やっぱ人間って どうかしてるよ

 

 

勝手に神の子に 奉り上げられたあげく

人間の恨みまでかって おまけに

目の前で 親を殺された赤ン坊…

その子が最初に 覚えた言葉が

“復 讐 ” だ

どう育ったかは 想像できるだろ?

アハハハ… それにその子はね、

なんと本物の 神の子だったんだから

チカラは 有り余ってた ! !

天界もこれには 焦ったんだろうね

強靭なだけがとりえの 鬼を選んで

その体に 閉じ込めたのサ

あそこから出るのは、大変だった

君たちが 来てくれなければ

まだ ボクはあいつの中だろうね

感謝してるよ ! !

 

 

薄々 気づいてるんだろ?

既に 君たちの力は

神を超えようと している…

そう、ボクのようにだよ!

不思議だね、人と神が交わると

その子の力は 神をもはるかに凌ぐ

天界のヤツらは それを承知で

ボクを滅ぼすために

君たちを 利用したってワケ

それしか 手がなかったんだよ、

要するに 神なんて

その程度の 存在なのサ

アハハハ… ところで君たち!

仮にボクを 運よく倒せたとしたら、

次に消されるのは どこの誰かな?

よーく考えてごらん

わかるだろ?

 

 

飽きた人形が ふたつそろったら、

捨てる前に 人形同士ぶつけて

戦わせて遊ぶのサ

壊す手間が 省けるし、

自分でやるわけじゃないから、

さほど 心も痛まない

それに 飽きたとは言え、

かつて愛した オモチャ同士の

殺し合いだ、興奮しないわけがない

クククククク…

退屈しのぎとしては 最高の見世物サ

ボクたち鬼と 君たち人との戦いには

ゼンゼン 似てないよね?

そう思わないかい?

 

 

やっとカギが そろったね!

約束通り ボクの庭へ招待しよう

入口は もう見えてるはずだ

ボクの庭は 小さくて粗野だけど、

山や川もあって 景色は折り紙付き

新しい家も 庭の片隅に建てたんだ

そこが目的地、君たちとボクの

最後の決戦場というわけサ

なるべく早く 遊びに来てくれよ!

母さんと ふたり暮らしで

ちょっと寂しいんだ

 

 

 

地獄巡り

 

大江山で 鬼の朱点に

敗れた屈強な武士の数は 知れず…

彼らを 神は見放した

なのに 力もないはずの赤子に

なぜ救いの手を 差し伸べたのか、

不思議に感じたことは ないかい?

つまり 君たちの始祖だけが

なぜ 特別扱いされたのか…

神のきまぐれ、それとも同情?

いいや、違う…

次の機会に 秘密を教えてあげるよ

時間は たっぷりある

ゆっくりと答えを 考えるといい

 

 

血の池地獄

これから 君たちが渡る

真っ赤な水たまりが 血の池サ

橋の中ほどで 色っぽいお姉さんが

熱烈な歓迎を してくれるはずだ

あんな 柔らかい腕を

巻き付けられたら、たいていの男は

我慢できずに 一発で天国生きサ

おや? 地獄から天国に

行けるなんて 儲けモンかな?

アハハハ…

 

 

氷雪針地獄

やあ、ここが地獄の3丁目

有名な針の山サ

手軽な散策には もってこい!

頂上には接待係が 君たちの到着を

今か今かと 首を長くして

待ってるよ

いやいや、待ちくたびれて 首どころか

体まで 長くなってるかもね?

アハハハ…

 

 

修羅の塔

そういえばこないだ 何か約束をしたね

あぁ… そうそう 君たちの

出生の秘密について だったかナ?

知らないほうが 幸せってコトも

世の中には たくさんある

アハハハ… だから話したかったんだ

ズバリ言おう ! !

朱点童子を 殺すためだけに

生まれた もうひとりの朱点童子、

それが 君たちの始祖の正体サ ! !

この計画が 耳に入った時は

さすがに ボクも焦ったよ、

とうとう天界も 捨て身できたってね

だから もうひとりのボクが

育つ前に 例の呪いをかけたんだ

先手必勝ってわけサ

アハハハ… 殺すまでは考えなかったよ

ボクはそこまで 残忍じゃないし

楽しみが減るのは イヤだからね

 

 

修羅の塔・2回目

ボクを倒すために もうひとり

朱点童子を 作るなんて大バクチ

よくも打つ気になったと 思わない?

ボクひとりでも 手に余る、

それをわざわざ もうひとり

自分から 増やそうってんだからねェ

天界の連中ときたら 揃いも揃って

時代遅れの うぬぼれや、

おまけに どうしようもない臆病者だ

はずした目に 続けて張る

度胸のあるヤツなんか

いるわけがない

そう、いるわけがないのサ ! !

こんなえげつないこと、思いつくのは

あの女以外には… ! !

忘れてたよ、ボクや君たちの前に

もうひとり 朱点童子が

生まれてたってことをね

 

 

修羅の塔最上階

ご苦労さん!あと一息で頂上だ

さあ、あとは 後ろにある柱の間を

真ッすぐに 進むだけ

ただし そこを過ぎれば

もう帰り道はない

まッ、お互いここまで来たら

今さら後戻りなんて できやしない、

そうだろ? アハハハハ…

 

 

やあ久しぶり!

長きイバラの道を 自ら選び

ここまでやって来た 君たちの意気地、

いやあ 実にすばらしい!

その地道な努力に 敬意を表し、

今日は特別に ボクたちの秘密を

ひとつ教えてあげるよ

君たちが今まで 倒してきた鬼や

魔物たち、なかなか手ごわかっただろ?

同じ術を 使う奴までいた…

偶然だと 思うかい ! ?

クククク… さあ紹介しよう!

その強さの源だ ! !

京を滅ぼす ボクの夢のために

いろんな鬼や 魔物を

いっぱい 産んでくれた…

我らが 母さんだ ! !

 

お輪

「うッ……

 

おやぁ…?

ボクの母さんが 君たちの

知り合いの誰かに 似てたかな?

アハハハハハ、ハハハ…

さーてと、母さんの前だ、

今日は イイとこ見せないとな!

い~く~ぜえッ ! !

 

 

いいねェ、生き別れた母親と

その子孫の 感動のご対面!

あぁ… 泣かせるねェ

ちょっと くさかったけど、

幕間の寸劇としては 悪くなかったよ

さーてと、役者も揃ったところで…

第2幕の始まり、始まりィ!

 

 

お輪

「ッッッ ! ! !

あッ、はぁッ、うあぁッッ!

ああッ、うああぁぁッッ… ! !

 

へへへッ…

ここは あったかくていいや…

さあ どうだ、ボクを殺せば

この女も一緒に 御陀仏だわよ

あ~ら どうしたの?

かかってこないのかしら?

じゃ こっちは勝手に

戦闘準備をさせてもらうゼ、ヘヘへ…

弱点は ココだわよ

さあ、遠慮なく

グチャグチャにしてぇん…

 

お輪

「斬れッ、この鬼を殺してぇ ! !

 

そんなひどいこと言うなよ、母さん

二人で 力を合わせてさぁ

こいつらを ぶち殺してさぁ

その後でまた

優しく抱いてくれよ、母さん…

ボクのこと、愛してるって

言ってくれよ…

 

お輪

「早く! 迷うな、やれ ! !

 

みんなで地獄に 堕ちようよォ…

ね、かあさん…

 

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