【ティアキン】カカリコ村【ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム】

お婆様から「パーヤも大きくなったのぅ」と言われ頷きましたら、
「では其方は今日から族長じゃ」…と。

パーヤはある日突然族長になってしまいました。
このパーヤに何ができるというのでしょう…
ドゥランがお側役についてくれましたが、
どことなく不安げな表情です…

お婆様は古い書物に夢中になっているご様子で、
声をかけるものはばかられます。
お婆様がこしらえてくれたこの族長の笠は
パーヤには重うございます。

それは突然やってまいりました。
この世が誰かに揺さぶられたような、
そんな衝撃にパーヤは怯えるばかり…。

空気がよどみ、武器が朽ち果てて暗雲立ち込める空からは遺跡が落下…。

村には大きな輪っか型の遺跡が5つほど落下し、
ヒガシノ高台には大きな穴が確認されました。

そんな中お婆様からボガードを共に旅に出るとのお申し出。
こんな時に…とお引止めしたところ、
このような時だからこそ…とのお言葉…。

何か大変な使命を背負われたような眼に、
パーヤはお婆様を見送る事しかできませんでした。
お婆様が読まれていた書物には何やら奇妙な文様が11個描かれていましたが、
お婆様の突然の旅立ちと何か関係があるのでしょうか…。

監視砦のプルア様に村の現状をお伝えした所、
輪っか型の遺跡は大変に珍しい物との事でした。
この村にとって好機になりえると思い立ち、
すぐさまゾナウ調査隊を手配。

村に戻り、調査隊をお迎えしようとしていた最中
ゼルダ様が村にお越しくださいましたが、
心のない…まるで人形のようなご様子に
パーヤは戸惑いを隠せませんでした。

そしてゼルダ様は壊れて一部が浮遊した遺跡を
立ち入り禁止とされ、立ち去られました…。
村の惨状にも触れず、村人への労いの言葉もなく…

ゾナウ調査隊の方々が村に来られました。
リーダーのタウロさんはゾナウ文字の解読への
糸口を見つけられたスゴイ方だそうです。

パーヤは村に落ちてきた遺跡をワッカ遺跡と名付けてみました。

ワッカ遺跡との共生を選択した私を、村の皆は温かく迎えてくれて
自ら調査隊の手伝いをする者、パトロールをかってでる者。
ドゥランの娘さんのココナちゃんはワッカ飾りという土産物まで作ってくれました。
気が付けば旅人が訪れぬ日はなくなり、村は活気を取り戻しましたように思います。

まずはもっとワッカ遺跡の事を知る事…
それこそが族長としてのお役目ではないか…

私はお婆様とは違う方法で族長としての責務を果たすつもりです。
館の中で座っている族長はもう終わり…。
お婆様が戻られた時、笑顔でお迎えできるようにパーヤは一歩踏み出します。

カリーユさんはなぜゾナウ調査隊に？
休憩中タウロ君にそう尋ねられた。

私は少々うろたえながらも
調査隊にはタウロという名の優秀なリーダー…
つまりあなたがいるからですよ、とお答えした。

これは嘘偽りのない本心ではあるものの、
私の胸の内ではその続きの言葉が揺れていた。

「タウロ君であれば他の鈍感な者たちと違い、
私の見識の高さを即座に見抜けるでしょう」
もちろんその言葉は胸に留め置いたが
この私が世に認められるために必要な人物…
それが他でもないタウロ君なのだと私は確信しているのだ。

ゾナウ調査隊の一員になってからというもの、
リーダーのタウロ君には驚かされてばかりだ。

ある日のこと、私が調査の現場に到着したとき
タウロ君は地べたに座り、石板を凝視していた。
おはようございます と挨拶をすると、
我に返ったタウロ君はこう返してきた。
ああカリーユさん気付かずにすみません
今日は遅くまでお疲れ様です…と。

そういえば昨夜遅く帰り際に見たときも
タウロ君は地べたに座り石板を凝視していた。
そうなのだ、タウロ君はゾナウ文字を解読する為、
夜通し石板を睨み続けていたのだ。

今が朝なのか夜なのかわからなくなる程の
彼の集中力を私は心底うらやましく思う。

遺跡が黙して語らぬ史実のあれこれを
知恵と根気で明らかにするのが調査隊の使命だ。
我々は先人達の遺業を受け継ぎ、
次世代へ渡す成果の為に日夜探求を続ける。
一代やそこらで完遂する仕事ではない事を
我がリーダーのタウロ君はよく心得ていて…

だからこそ彼は言う。
名は残さずとも成果を数多く残したい…と。
さすがタウロ君、誠に立派な信念ではあるが、
私カリーユの志はさらなる高みにある。

成果を残すのは当然として、我が名こそを後世に残したいのだ。
人々の記憶の中だけではなく、書物や石碑は当然の事、
できれば地名として！
カリーユ谷…カリーユ川…カリーユヶ丘…

夢はふくらむばかりである